三重県の英虞湾や五ヵ所湾で真珠母貝のアコヤ貝が大量にへい死、養殖業者に深刻な打撃を与えている。潮流の変化による低水温が原因で、被害額は数十億円に上るとみられる。同県真珠養殖漁協連合会の被害状況調査(3月末)では、昨年秋に核入れした作業貝と春の核入れを待つ母貝、稚貝の約4650万個の四割がへい死していることがわかった。英虞湾口にある志摩町の御座真珠養殖漁協では核入れ前の母貝の95%が死に残りも衰弱しており使えない状況。
最近では日本貝と感染症に強い中国貝の掛け合わせて「改良貝(ハーフ貝)」を多く導入しているが、低水温に弱いことが裏目に出た。
近年の感染症の発生で養殖業者の体力が弱り、養殖業からの撤退が相次いでおり一段と厳しい状況で日本の真珠養殖業が存続できるかその帰路に立たされることになる。
真珠価格は市場の低迷から当面上昇していないが、工業生産品と違って追加生産は不可能で来年の生産量が大幅に減少することは明らかで大きな影響を及ぼしかねない。
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